竣工年:2011年 所在地:東京都品川区 建築設計:竹中工務店 掲載誌 ・建築技術 2013.01
日本を代表する企業の本社ビル新築にあたり、ビルの顔となるエリアのアーティスティックなあり方を相談された。周辺環境や土地の歴史、企業の歴史や製品については製造工程や原材料、廃棄物まで徹底的に調べた。企業の建築空間的アイデンティティーは、家具と人々が協調していることで具現化できると考え、働く人々だけでなく周辺住民のための環境づくりとして、植栽や家具すべてを一連のデザインとして提案。この企業の歴史を示す、缶や瓶といった「液体をパッケージする」製品に触発されて、ロビーや外構のベンチは「流動体の形」となった。家具として適度なスケールを保ちながら自然な形を決めることは大変難しい作業であったが、ロビーベンチは、銀泊を張ることで身近な流動物のパッケージを想像でき、屋外ベンチは、自然のエネルギーの力が作用したような形を生み出した。