竣工年:2009年 所在地:東京都杉並区 建築設計:伊東豊雄建築設計事務所
地域に根ざした杉並区の舞台芸術、文化活動の拠点。
鉄板で出来た壁、点在する円形の窓、緩やかにつながる階段空間や手すりが、色彩と相まって艶っぽい雰囲気を醸し出した建築は、昔よく観たテント劇場のようだった。日常から離れた時間、空間を体験できるしつらえを、かつての体験の記憶を紡ぎながら、ドリンクカウンターやベンチ、パンフレット棚など様々な家具の提案をした。鉄板を使った移動可能のカウンターや鉄板壁を利用したフックやマグネットで展示ができるギャラリーシステムなどは、運用の仕方を議論しながらデザインできたことで実現できた。地下階段空間のベンチは、緩いカーブのシンプル形に赤いフェルトを貼ったもので、寝転んで魅力的な階段空間を見上げることができる。